これからのSEOはコンテンツ“レスポンス”マーケティングが重要になる
- コンテンツマーケティングで失敗してしまう理由がわかる
- これからのコンテンツマーケティングに必要なことがわかる
- コンテンツからレスポンスを獲得するための手法がわかる
様々な集客チャネルのなかでも特にSEO経由の流入を注視している方は多いと思います。
いまでは多くの企業がコンテンツマーケティングを実施しているので、自社のオウンドメディアやサイト内の記事経由の流入数は気になりますよね。
ただし、コンテンツマーケティングが上手くいっている、収益化に成功しているといった企業は少数で、ほとんどの企業では記事経由から売上に繋がるレスポンスを得ることができずに苦戦していると思います。
それではなぜなぜコンテンツマーケティングで苦戦している企業が多いのでしょうか。
そこでのこのページでは、コンテンツマーケティングのよくある失敗理由からこれからのSEOで重要になっていくコンテンツレスポンスマーケティングの考え方についてご紹介したいと思います。
これまでのコンテンツマーケティングの変遷
コンテンツマーケティングというフレーズがWEB業界で使わるようになり始めたのは2014年~2015年ごろの記憶がありますが、バズワード化して業界内に一気に広まったのは2016年でした。
Googleトレンドでも「コンテンツマーケティング」で調べてみると、2016年6月に一気に検索数が上昇していることがわかります。
このころからコンテンツマーケティングを取り組み始める企業が大幅に増え、いまでは企業が自社で運営するオウンドメディアや個人が運営するブログサイトやアフィリエイトサイト、また価格や口コミ・評判を比較できる検索サイトや予約サイトなどが軒並みコンテンツマーケティングを実施していることでSEOの競争は激化し続けています。
また、当時は記事の大量生産が流行った時期でもあり、コンテンツマーケティングがバズワード化した当時はフリーランスや主婦などを活用して格安の記事を大量に生産して上位表示を狙っていくスタイルを取り入れている企業も多かったです。ただし、格安の低品質の記事では思うように上位表示は達成できません。
そのため徐々に「大量生産」から「質」へと変化していきました。ユーザーの検索意図の把握や、記事内に記載する情報の専門性や網羅性などを重視した記事を制作する方向へと徐々にシフトしていき、いまでは1つ1つの記事に対して質を追求して制作されるようになっています。
このような背景から現在では質重視のコンテンツマーケティングを実施している企業が増えているにも関わらず、コンテンツマーケティングで収益化に成功している企業は少ないのが現実です。それはなぜなのでしょうか?
なぜコンテンツマーケティングで失敗する企業が多いのか
レスポンスの獲得を意識していないから
当たり前の話ではありますが、収益化するためにはコンテンツマーケティングを通して顧客を獲得しなければいけません。ただし、多くの企業では記事経由のセッション数やSNS上のエンゲージメント数などを指標にしてしまっていて、記事経由でどれほどのメルマガ登録があったのか、またはどれほどの資料請求を獲得できたのかといったレスポンス数までを追っていません。
それはなぜか。記事経由でメルマガ登録や資料請求がほとんど発生していないためです。そのためこれらのレスポンス数までを指標にしてしまうと上層部にコンテンツマーケティングでは実績が出ていないとネガティブなイメージを持たれてしまうからレスポンス数は指標にはできないといった懸念を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
『中長期的な施策だから短期的な成果を追うことはできないのではないか』『ファンをつくることが目的だから顧客の獲得は目的ではない』といった反論もあるとは思いますが、コンテンツマーケティングもマーケティング施策です。顧客の獲得までを把握しないと費用対効果で図ることができませんので、コンテンツマーケティングであったとしてもレスポンスを獲得するための対策は必要といえるでしょう。
業者に丸投げしてしまっているから
大手企業を中心に意外とこれも多いと思います。SEO業者に対して毎月高額な費用を支払う代わりに、上位表示するための適切な対策やレポーティングの実施、定期的な改善提案などがあるとは思いますが、SEO業者は上位表示させるためのプロかもしれませんが、顧客を獲得するための広告のプロではありません。
仮に記事を上位表示ができたとして顧客を獲得できなければ売上はたちません。見込み客を流入さるためには記事を上位表示させることはとても大切なことではありますが、その記事からいかにレスポンスを獲得するかといった視点から対策を講じることも大切となります。
記事がユーザーの役に立てていない
コンテンツマーケティングで成果が出ていない理由として、記事の内容が面白くなかったり、ユーザーの役に立てていない可能性があります。
コンテンツマーケティングを実施する目的としてよく『ファンづくり』というフレーズが使われることがありますが、これは記事が面白かったり見込み客に対して役に立つ情報であることが前提となりますので、記事の中身に興味を持ってもらえなければファンになってもらうこともできません。
また、記事で興味を惹きつけられないとレスポンスを得られないので成果に繋げることも難しくなります。
これからのコンテンツマーケティングに大切なことは
コンテンツマーケティングの失敗例を踏まえて、これからのコンテンツマーケティングで大切なことはいかにコンテンツからレスポンスを獲得していくかだといえます。
「ファンづくり」や「認知」という抽象的な目的では売上に繋がらないことは多くの企業が実感していることだと思います。
そのためには、当然セッション数やエンゲージメント数を高めていくことも大切ではありますが、それだけではなくレスポンス(メルマガ登録や資料請求など)を獲得するために現状を把握して検証と改善を繰り返していくことです。
一般的に記事経由のCVRは0.1%~0.3%だといわれています。繁忙期・閑散期などの時期的な要因によって多少上下するとは思いますが、通期で均すとこの数値になるかと思います。
そしてこのCVRを高めていくために必要な考え方が「コンテンツレスポンスマーケティング」です。コンテンツレスポンスマーケティングとは一体なんなのでしょうか?
コンテンツレスポンスマーケティングってなに?
コンテンツレスポンスマーケティングとは、従来のコンテンツマーケティングに「レスポンスの獲得」の考え方も取り入れたマーケティング施策のことです。
とはいっても私が勝手にそう呼んでいるだけですが笑
そもそもコンテンツマーケティングとは、コンテンツを通して最終的にコンバージョンに結び付けるためのマーケティング戦略・手法なのをご存じでしょうか?本来はコンバージョンの獲得もコンテンツマーケティングの考えのなかに含まれているのです。
②潜在顧客をWEBサイトに集める
③コンテンツを通して潜在顧客をファンにする
④CV(購買行動や成約)につなげる
しかし日本国内で語られるコンテンツマーケティングは、継続的な情報の発信やファンづくりだけが取り上げられるケースが非常に多く、コンテンツを通していかにコンバージョンに繋げるかといった議論はほとんどされていないのが実情です。
これはおそらくではありますが、SEO業者が『コンバージョンの獲得』までは担保できないといった事情から意図的に避けて扱われていたことも要因の一つとしてあると思っています。
しかし、コンテンツマーケティングもマーケティング施策である以上は顧客を獲得して収益をあげなければいけません。そのため、これから先はコンテンツマーケティングに対して「レスポンスを獲得する」ための考え方も取り入れたコンテンツレスポンスマーケティングが必要になると感じています。
運用する上でのポイントについて
それではコンテンツレスポンスマーケティングを実施して運用していく上でのポイントはどういったものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
導線設計を整備する
コンテンツを通してレスポンスを獲得するためには、ページ内の導線の設計が非常に大切となります。
コンテンツマーケティングで成果をあげられていない企業の記事ページでよくみるケースは以下の通りです。
コンバージョンボタンに問題がある
・ボタンが小さかったり、色が地味で目立っていない
・メリットやベネフィットが正しく表現されていない など
コンバージョンボタンをクリックするための動機付けがされていない
自社の強みやこだわりを正確に伝えられていない
細かいことではありますが、導線設計はとても大切です。いかにレスポンスを獲得するかを考える上で、ボタンの色や配置など、ページ内を構成する要素の一つ一つに意味や意図を持たせる必要があるのです。
特に最近ではスマホユーザーの流入が全体の8割以上を占めるケースもありますので、スマホファーストでページ内の導線設計を考えたほうが売上へのインパクトは大きくなるでしょう。
記事の流れを崩さないように自然に自社独自の強みや選ばれる理由を伝える
コンバージョンボタンにはクリックさせるための工夫を施す など
2STEPマーケティングを取り入れる
コンテンツマーケティングでいかにレスポンスを獲得するかを考える場合に、資料請求や問い合わせのハードルは非常に高いです。
自分の身に置き換えてみるとイメージしやすいですが、よっぽど特定のサービスや商品に興味がない限りはたまたま訪れたサイトの記事ページをみてその場で資料を請求したり問い合わせすることってほとんどありませんよね。
こちらが思っている以上に「氏名」や「住所」を入力することへのハードルというのは高いことを認識する必要があります。
そのため、コンテンツマーケティングと相性がいいのは「メルマガ登録」や「事例集のプレゼント」などのメールアドレスだけで気軽に登録ができるものです。コンテンツマーケティングで成果が出ていない企業は、記事のコンバージョンポイントを問い合わせや資料請求にするのではなく、リードを獲得するための2STEPマーケティングへと方向転換することをおすすめします。
ただしメルマガや事例集などの中身に魅力がなければレスポンスは獲得できませんので、2STEPマーケティングには企画力が必要となります。
有益な情報、役に立つ情報に徹底的にこだわる
導線設計やコンバージョンポイントにこだわっても、記事のファーストビューで直帰がされてしまってはレスポンスを獲得することはできません。そういう意味では、記事が魅力的な内容かどうかも非常に大切なポイントとなります。
コンテンツマーケティングといっても、企業ごとに記事で取り扱っている情報の内容は様々です。なかには用語辞典のように専門用語の意味を解説しているだけや、基本的な知識の解説しか取り扱っていないサイトもあります。こういった記事を書くことも面を抑えていくといった意味では大切ではありますが、こういった情報を検索しているユーザーは顕在的な層ではありませんので、レスポンスの獲得の期待値はどうしても低くなってしまいます。
そのためコンテンツマーケティングでレスポンスを獲得していくためには、自社サービスに関連する悩みや不安を抱えているユーザーに対して有益な情報を発信するために、記事の中身に対して徹底的にこだわる必要があるのです。
また、記事は公開して終わりではありません。さすがにすべてのページを定期的に改善するのは不可能ですが、ほとんどのWEBサイトでは記事経由のセッション数のうち8割以上のセッションは2割以下の記事が担っています。そのため、2割以下の記事に対しては定期的に直帰率や平均滞在時間、CVRをウォッチしながら、記事ページの平均値よりもパフォーマンスが低いページに対しては、定期的に検証と検証を繰り返すようにしましょう。
コンテンツマーケティングがバズワード化してから約3年ほどが経過し、コンテンツマーケティングの成果に悩んでいる企業が多くなっているように感じます。細かい理由はいろいろとあるとは思いますが、やはり記事経由から売上に繋がるレスポンスを得られていないことが最大の理由であるように思います。
現在悩みを抱えている企業では、是非従来のコンテンツマーケティングのやり方だけではなく、いかにレスポンスを獲得するかといったコンテンツレスポンスマーケティングの考え方を取り入れてみて頂ければと思います。このページの内容が少しでも皆様の事業に貢献できると幸いです。