なぜ委託先のリスティング広告の代理店から改善案の提案がないのか?
- 代理店から提案がこない理由がわかる
- リスティング広告において検証と改善が重要な理由がわかる
- 提案をしてくれる代理店の見極め方がわかる
委託先のリスティング広告の代理店への不満として、最も多くの声が上がるのが『成果が出ていないのに、なにも連絡も提案もしてこない』ということです。皆さんもこのような不満やストレスを抱えていませんか?
契約前はあんなに丁寧な対応をしてくれていたのに、契約してからはほとんど連絡がこないし提案もしてもらえなくなった…
こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、なぜ代理店から提案がないのか?について代理店のよくある理由と、リスティング広告においてパフォーマンスを改善することの重要性についてご紹介したいと思います。
なぜ、委託先の代理店から改善案の提案をしてこないのか?
まずは今皆さんが最も不満に思っているこちらについてご説明していきます。
契約前は誠実な対応だったのに、契約をして広告を配信した途端から連絡がパタッとこなくなり、
月の初めに請求書と簡易的なレポートだけが送られてくる
これはリスティング広告の代理店のよくある話です。
なぜこのようなことが起こるのか。それは特に電話営業などで新規の案件獲得に力を入れている会社によくあるのですが、このような会社はディスカウントを餌に案件を獲得しますから、1つ1つの案件の利益が少なくなります。
案件の利益が少ないということは数をこなさなければいけないので、売上を作るためには数多くの案件が必要となるのです。ですから運用担当者が抱える案件数が多くなることで『1つ1つの案件に対して時間をかけることができなくなる』んですね。この『1つの案件に時間をかけることができない』というのが提案をしてこない多くの代理店の本音だといえるでしょう。
リスティング広告の提案をするにしても、現状の把握や掲載結果の分析など提案をするためには様々な準備が必要となります。そのため、準備するための時間が確保できないことで提案ができなくなってしまうのです。
常に人手が不足していて、人が育っても会社から離れていく
また、このような薄利多売で案件をこなしている代理店は人件費も低く抑えていますので、基本的には業界歴の浅い人間が広告運用を担当しているケースが多く、優秀な広告運用担当は社内の中でも極僅かといった状況です。
自力で一から勉強をして知識や技術を身に付けて優秀な人材に育ったとしても、より待遇の良い大手代理店に転職をしたり独立をしてしまうため、いつまでたっても社内の運用チームが成熟していかないといった負のスパイラルに陥っている代理店が多く、人も定着しないため常に人手が不足しているといった状況に陥っています。
なかには広告運用の実務を外注先に丸投げしているために担当者が状況をほとんど把握できていないことで提案ができない代理店や、できるだけ契約期間を引き延ばすために積極的に提案をしない代理店もあります。ただ、数としては忙しいために提案するだけの余裕がない代理店がほとんどだといえるでしょう。
検証と改善をしない限り、リスティング広告のパフォーマンスは向上しない
リスティング広告は『運用型広告』ですので、掲載結果を分析して施策を講じることでパフォーマンスを向上していくことができます。または、新規の競合の出現などで獲得単価が一時的に悪化したとしても、対策することで獲得単価を低下させていくことができます。
この継続的にパフォーマンスを向上させていく(または改善させていく)ことができることこそがリスティング広告の強みなのです。
そして、リスティング広告の掲載結果を正しく把握し、今後の運用方針や施策を展開していくことこそが本来の広告代理店の役割だと思います。
・対策キーワード別の掲載結果
・ターゲティング別の掲載結果
・広告文の訴求別の掲載結果
・バナー画像などのクリエイティブ別の掲載結果
・LP別の掲載結果 等
ですが、初期設定のまま放置をし、とにかくコスト消化をするためだけの運用をしている代理店が実際には多いことが現実です。
それではリスティング広告でしっかりと提案をしてくれる代理店はどのように見極めればいいのでしょうか?
しっかりと提案をしてくれる代理店を見極めるポイント
正直に申し上げると、定期的に提案をしてくれて成果を出してくれる代理店の見極めは簡単ではありません。
なぜかというと新規営業に力を入れている代理店では、商談の場に広告の部署のマネージャーや運用歴の長い広告運用者が来ることになりますので説得力のある提案をしてくることになります。また、商談の場では広告の専門用語やマーケティング用語を多用してくるので、これらの知識がないと正直何を言っているのかわからない状態になります。
そのため広告主側である程度のリスティング広告の知識がないと、中身はよくわからないけれど説得力はあるから『この会社は信頼できそうだな』という印象を持ってしまうことになるんですね。
そのためリスティング広告の知識がないと完全に失敗を防ぐことは難しいですが、そのなかでも確認したほうがいいチェックポイントをご紹介したいと思います。
①打ち合わせの頻度と改善提案の有無
まず、『打ち合わせの頻度と改善提案の有無』を確認してください。
筆者のこれまでの経験上、運用力が高くて成果が出せる代理店はまず間違いなく毎月クライアントと打ち合わせ(オンライン会議含む)をしています。そのため月に1度打ち合わせをしてくれるのかどうかを確認してください。また、その場で改善提案をしてくれるのかどうかも確認しましょう。
ただし、これだけで信用してはいけません。適当な代理店は商談の場では、実際にはやらないにも関わらず『やります。できます。』と堂々と回答してきます。また、改善提案をするといったのに、レポート内に2行程度のコメントを書くことで提案したつもりでいる代理店も冗談ではなく実際にあるのです。
ですから上記に加えて、以下の3点を確認してみることをおすすめします。
②広告アカウントの閲覧権限をもらえるか
Google広告やYahoo!広告には、広告を配信するための管理画面が用意されています。この管理画面に、実際に使用された広告費の消化額やキーワード別の掲載結果の一覧などが表示されます。
また管理画面の「操作履歴」を見れるようになることから、普段代理店が実際になにをしているのかが広告主側でもわかるようになります。そのため広告アカウントの閲覧権限をもらえるか聞いてみて下さい。ほとんどの代理店は適切な広告運用をしていないため、「ノウハウの開示はできない」「社内の規定で開示できない」といった理由から権限の付与を断ってきます。
筆者が知る限り、運用力が高くてクライアントに丁寧な対応をしている代理店ほどクライアントに閲覧権限を付与していますので、閲覧権限を与えてくれる代理店にお願いすることをおすすめします。権限を与えるということは広告主に管理画面を見られても問題のない広告運用をしているということですので、このような代理店では現状の分析をふまえて改善施策を提案してくれる可能性が高まります。
③日頃の連絡や相談をチャットツールで対応してもらえるか
広告運用者が多くの仕事を抱えている代理店ほど、チャットツールの対応を嫌がります。理由は簡単ですが、チャットツールに対応してしまうと広告主とのコミュニケーションの量が増えてしまうからです。
そのためそのような代理店とは電話かメールのみでしか連絡がとれなくなります。その結果、電話では不在ばかりで繋がらない。メールでは送ってから返ってくるまでに3営業日以上かかる、といったことが起きてしまうんですね。
Slack
Microsoft Teams
LINE WORKS など
そのためチャットツールに対応している代理店は、クライアントとのコミュニケーションに積極的だといえますので対応している代理店のほうが代理店選びで失敗するリスクは軽減できるといえます。
④広告運用の担当者の運用歴と同業種の運用経験はあるか
これも非常に重要です。必ず運用担当者の『運用歴』と『同業種の運用経験の有無』は確認すべきです。
リスティング広告の運用歴でいうと5年以上ある人は信用して問題ないかと思いますが、人の入れ替わりが激しいこの業界で5年以上は稀です。そのため一つの目安として3年以上ある人に任せたいものです。
また、その担当者が同業種の運用経験があるかどうかも大切です。業界ごとに獲得キーワードの傾向やクリック単価は大きく異なりますので、経験の有無によってCVやCPAに大きな差が生じます。そのため業界未経験者は避けたほうがいいといえるでしょう。
ただし案件の獲得のためなら平気で誇張したり嘘をつく代理店が多いです。④に関しては真偽を確かめることが難しいため、代理店からの回答を鵜呑みはせずに参考程度にしておきましょう。
まとめ
もし今の代理店がまったく改善提案をしてくれない代理店なのであれば、代理店の見直しを検討したほうがいいでしょう。なぜなら前述の通り、リスティング広告は分析と改善を通してパフォーマンスを向上していくことができる広告サービスだからです。
提案をしてくれない代理店のなかでも、抱えている案件が多すぎるが故に『工数の問題』で提案ができない代理店、新卒や業界未経験の中途採用者が案件を担当していて広告の知識が乏しいために『能力の問題』で提案ができない代理店など代理店によっても事情は異なりますが、いずれにしても成果が出ていない中で提案ができない代理店には運用を任せることは避けたほうがいいといえます。
代理店選びの際にはご紹介したポイントが少しでも参考になれば幸いです。